2018年1月18日木曜日

FLL Ortenau(FIRST LEGO League、ドイツ地方大会)2018年1月


FLL Central Europe
(FIRST LEGO League 中央ヨーロッパ)の概要は、以前の記事で書いたので
       (~ my usual day ~ 2018.01.17)

今回は、先日見学した地方大会について書きます。




 1. FLL Ortenau(オルテナウ、ドイツ)概要と結果



Ortenau(オルテナウ)は、
ドイツ南西部のBaden-Wuerttemberg(バーデン=ヴュルテンベルク州)にあります。
州都は、Stuttgart(シュトゥットガルト)ですが、

Ortenau経済圏の最大の街は
Offenburg(オッフェンブルク)です。


FLL Region(FLL 地域大会)< FLL Ortenau > 




日時:2018年1月13日(土)


   ロボットゲームは13時から

場所:Hochschule Offenburg(オッフェンブルク大学)   

(住所:Badstraße 24 , D-77652 Offenburg)

参加チーム:16チーム


< 総合成績 >チーム名(学校名、組織名)

  1. HFG-RoboS ( Hans-Furler-Gymnasium Oberkirch )
  2. Gobots( Hochschule Offenburg )
  3. SuperRobby BZH( Bildungszentrum Hasla )
  4. HFG-Robokirch( Hans-Furler-Gymnasium Oberkirch )
  5. NicoBot( Scheffelgymnasium Lahr )
  6. Marsrocker ( Grimmelshausenschule Renchen )
  7. G-Bots ( Goethe-Gymnasium Freiburg )
  8. RSObots ( Realschule Oberkirch )
  9. Ritters ( privat Schutterwald )
  10. Roboken ( Oken-Gymnasium Offenburg )
  11. Energy ( August-Ruf-BIZ Ettenheim )
  12. RoboTulla2 ( Tulla Gymnasium Rastatt )
  13. Einstein ( Einsteingymnasium Kehl )
  14. Birklehof ( Schule Birklehof e.V. )
  15. MIS Robotics Club ( Metropolitan International School )
  16. RoboTulla1 ( Tulla Gymnasium Rastatt )
この記事は、FLL公式サイトを参照しました。
→→ FLL Ortenau [de]
詳しい結果は、リンク先ページの下の方の「Results」をクリックしてください。


1位の HFG-RoboS は、驚異的な成績を残しました。

なんと 200満点中、198点を獲得!
(内訳:ロボットデザイン 49点、チームワーク 49点、リサーチ 50点、ロボットゲーム※ 50点)

ロボットゲームでは、たくさんのミッションを達成し、
455ポイントでした!!(→ 50点)
2位のチーム( 260ポイント → 29点)を大きく引き離しました。

260ポイントでも、獲得するのは難しくて凄いことなのに、
455ポイント獲得なんて、至難の業です。

※ ロボットゲームは、各チーム3回ずつ行い、
一番高かったポイントがそのチームの成績になります。
(つまり、チャンスは3回。第1~3ラウンドあります。)



 2. FLL Ortenau(オルテナウ、ドイツ)当日の様子




< 当日の様子 >(ロボットゲーム会場のみ)


13時過ぎに、司会者のお話で始まりました。

FLL Ortenau(ドイツ)

試合前に、
前の画面(スクリーン)中央で
次に試合するチームの紹介がされます。
(メンバー、ロボットの写真が映る)

試合中
画面左は、左側のチームの映像

画面右は、右側のチームの映像

画面中央は、
試合しているチーム名や
時間が表示されます。
FLL Ortenau(ドイツ)

13:05 第1ラウンド 試合開始

司会者の合図でカウントが始まり、
3 , 2 , 1 , LOS! 」で
試合開始です。

掛け声は、「3 , 2 , 1 , Go! 」でも
「3 , 2 , 1 , LEGO! 」でもありませんでした。

試合時間は、2分30秒

試合終了時には、アラームとともに
スクリーン中央に「ENDE」と表示されます。

ロボットゲーム試合用の台は合計4台。
2台ずつ隣り合わせで、左右2か所あり、
左右交互に使っていきます。

5分毎に、左右どちらかの台で
2組ずつ試合をしていくので、
見ているだけでも せわしなく感じました。

司会者は、それぞれの台を周りながら、
一人で実況中継をしていて(ドイツ語で)
とっても忙しそうでした。

それでも、司会のプロの方だったのか
観客を飽きさせないように、上手に進行されていました。

試合前に、
選手にインタビューしたり
チームメイトにインタビューすることもありました。

司会者が「toitoitoi(トイトイトイ)!」と何度も言うので
隣の席の人に聞くと、
ドイツでは
「上手くいきいますように!」と相手の成功を祈ったり、
災いを避けるために唱えるおまじないとして言うそうです。

審判は6人でした。
4人は それぞれ担当の台についていて、
残りの2人は 移動しながら見回っていました。

黒と白のストライプのシャツを着ていたので、
ひと目で審判だとわかりました。
シャツの後ろ側には「SCHIEDSRICHTER」(審判)と書かれていました。

司会や審判以外のスタッフも
皆忙しそうでした。

チームによっては、関係者(応援団?!)が大勢いて、
ミッションを達成すると大きな拍手が沸き起こっていました。

13:40頃 第1ラウンド 試合終了


約10分間の休憩がありました。
休憩中に、第1ラウンドの結果発表がありました。

13:50 第2ラウンド 試合開始



14:30頃 第2ラウンド 試合終了



約10分間の休憩
第1、第2ラウンドの結果発表
この時点での順位を発表

14:40 第3ラウンド 試合開始


15:20頃 第3ラウンド 試合終了


15:30頃 結果発表


15:35頃 上位3チームのプレゼンテーション(リサーチ)


ロボットゲームの試合会場で
点数が高かった3チームのプレゼンテーションがありました。

パワーポイントで用意した(?)のを
前のスクリーンに映し出しながら、
マイクを使って、聴衆の前で発表していました。

ロボット操作の上手なチームは、プレゼンも上手でした。
2位のチーム「Gobots」も素晴らしかったのですが、
1位のチーム「HFG-RoboS」は余裕が感じられました。

マイクの調子が悪かったりしたのですが、
それにも慌てず、笑いを取ったり...
たくさん準備して練習して、万全の体制で臨んでいるようでした。

3チームとも、持ち時間をフルに使っていました。
発表中に(疑問点 → 答えや意見)を織り交ぜて、
テンポの良い発表でした。

用意されていた小道具も工夫されていました。

本当に水が出る水道蛇口を作ったり、

べニア板に大きな木を書き、上部に穴をあけて、
発表中「木」役のメンバーが そこから顔を出していました。
(「木」役にも、セリフがありました)

16:00頃 他の会場と中継でつながる

恐らく、ミュンヘン会場(Fakultät für Maschinenwesen der TU München)だと思うのですが、
中継で繋がりました。
大会を盛り上げる、良い演出だと思いました。


16:00過ぎ 準々決勝 試合開始

上位8チームによる準々決勝がありました。
試合は1回ずつでした。(決勝戦のみ 試合は2回)
試合ごとに、結果が発表されていきます。

16:30 準決勝 試合開始


16:50 決勝1回戦17:00 決勝2回戦

決勝戦は、台を交代しながら 2試合行われました。

決勝戦の結果発表前に、大会責任者(?)のお話がありました。

その後、結果発表

17:15 から表彰式

たくさんの賞があり、表彰式は 30分以上ありました。

17:50頃 大会終了

終了後に、スタッフによるチーム毎の写真撮影がありました。



  3. 雑感など




  • 演出が凝っていました。会場を暗くして、スタッフの方が使用される機材は本格的な物が使われていて、プロ(?)の司会だったので、ショーを観に来ているように感じました。
  • 表彰式で、優勝チームが表彰されている時は、Queen の「We Are The Champions」という曲に変わりました。
  • 賞がたくさんありました。多いチームは5回(もしくは、それ以上)表彰されていました。
  • 大会の最後の方で「3 , 2 , 1 , レゴ !」の掛け声がかかりました。レゴ大会において、世界共通の掛け声だそうです。
  • 以前、FLLの日本大会(地域予選)に行った時には、上手なチームのプレゼンを皆で聞くという事はありませんでした。他人のプレゼンを聞く機会はあまりないので、とても良い経験になりました。
  • ピザの移動販売車が来ていました。移動販売車だったので期待せずに食べたのですが、薄い生地で美味しいピザでした。1枚 5,50ユーロ。「Troppo Buono」というお店でした。
  • 競技中、ロボットを動かす前にスイッチを押すのですが、プログラムを探すのに手間取っているチームがありました。上位チームは、ボタン一つで動かしていたので、工夫の余地があるなと思いました。
  • 同じミッションの挑戦は一回のみなのですが、ミッションに失敗して、二度目に挑戦したチームがありました。やはり、注意されていました。慌てて、動いているロボットに触ってしまい、注意されているチームもありました。焦ってしまうと、ルールを忘れてしまうので、平常心が大事だと思いました。
  • 殆どのチームが、チームTシャツを着ていました。チームワークを高める為の、一つの手段のようです。
  • 2位のチーム「Gobots」は、本番3回のロボットゲームのベストスコアは 260ポイントだったのに、準々決勝では 365ポイント、準決勝でも 350ポイントと、明らかにロボットの動きが変わっていました。作戦次第で100ポイントも伸びるのかと、成長に驚きました。
  • 大会終了(表彰式終了)後、各チームの写真撮影がありました。18:00頃だったので、もう日が暮れていました。遠くからの参加チームは、急ぎ足で帰っていきました。


  4. 1位のチーム「HFG-RoboS」について




 「HFG-RoboS」は、Hans-Furler-Gymnasium Oberkirch という学校から出場しているチームでした。
(「Oberkirch、オーバーキルヒ」という街にある「Gymnasium、ギムナジウム。」
ギムナジウムは、地域によるが一般的に8年制の学校で、大学進学を目指す生徒が通う。日本の学校に例えるなら、小学校高学年と中高一貫校が合わさった学校。)

 このチームは、本当にたくさんの工夫をされていました。
ロボットゲームの2分30秒間の間、無駄な動きは殆どありませんでした。
競技者2人の連携(役割分担)もスムーズでした。

 ミッションによって、ブロックを 取り付け&取り外し するのですが、
手間取らない様に工夫されていました。
 イメージとしては、カツラのような感じでしょうか。

 ロボットのスタート地点がずれないように、
端にブロックを置いて、そのブロックに横付けしていました。
(これは、他のチームでも採用されていました。)

 機械を操作する2人は、ずっと同じ2人でした。

 準決勝で、ロボットにトラブルが発生したのですが、
決勝までの間、入念にプログラムを調整していました。
(もし、競技者が他のメンバーに変わると、
間近でトラブルを見ていないので、調整が難しいのかもしれません。)

 決勝戦の1回目では、さらに点をのばし「465ポイント!!」も獲得しました。
( 465 ?! 聞き間違いかと思うくらい、素晴らしい成績だと思いました。)
 
2018.02.03 update